「DX推進部」が「技術価値創造部」になった日

ある企業が2026年の春、「DX推進部」という部署名を「技術価値創造部」に変えました。それだけなら、よくある組織改編の話です。面白いのはここから。担当者は新しい名前を社内外に浸透させるために、部署名入りのTシャツまで作ったのです。

一見すると小さな出来事です。でも私たちは、ここにインナーブランディングの核心を見ています。

「DX推進」は便利な言葉ですが、手段の名前です。「技術価値創造」は、何のためにその技術を使うのかという目的を語っています。手段の名前から、目的の名前へ。部署名のリブランディングとは、単なる名称変更ではなく、なぜその部署が存在するのかを言葉にし直す作業です。

名前は、毎日組織に語りかける装置

なぜ名前ひとつで組織が動くのか。部署名や事業名は、社内で最も口にされる言葉のひとつだからです。

会議で、名刺で、メールの署名で。その一語が「推進」なのか「創造」なのかによって、メンバーが自分の仕事をどう捉えるかが静かに変わっていきます。言葉は意識をつくり、意識は行動をつくる。名前は、その組織が何を信じているかを毎日従業員に語りかける装置です。

だから、名前を変えることは組織の前提を変えることに等しい。

先の事例のTシャツも、この文脈で読むと合理的な一手です。新しい言葉は、放っておいても定着しません。繰り返し目にして、身につけて、口にして、はじめて自分たちの言葉になります。Tシャツは、言葉を身体に近づける仕掛けでした。

順番は「内側が先、発信が後」

インナーブランディングは、自分たちが何者かを内側に定着させる取り組みです。社外発信は、その定着した核を外へ届ける取り組み。この順番を間違えると、うまくいきません。

ロゴやWebサイトやSNSといった外向きの施策から手をつけたくなる気持ちは分かります。ただ、内側で言葉が共有されていない状態で外に発信しても、表面だけ整った空疎なメッセージになります。社員が自社を自分の言葉で語れないのに、社外に一貫した物語を届けることはできません。

先の事例が優れているのは、この順序です。まず役割を「技術価値創造」と再定義し、その言葉を内側に浸透させる手段としてTシャツを選んだ。内側を固めてから、外へ広げる。この順番がブランドの一貫性を守ります。

部署名リブランディングの進め方

追いかけるのは、見た目の新しさではなく核の一貫性です。名前も、デザインも、発信も、すべて同じ核から生まれているか。見るべきはそこです。

名前を変えることは、組織の物語を変えること

一語が変われば、メンバーの意識が変わり、社外への伝わり方が変わります。

私たちアイムホッピングは、この「一語に凝縮する」工程を感覚ではなく設計として行う言語設計パートナーです。自社の部署名や事業名がどこかしっくりこない、役割の本質が言葉になっていない。そう感じたときが、組織が自分を語り直すタイミングです。サービスでは、コアをつくる対話からご一緒しています。

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