暑い国では、扇風機は「売れて当たり前」か
タイは年中暑い国です。いちばん暑い4月には40℃を超える日もあり、バンコクではハンディファンはほとんど必需品。現地の通販サイトを開けば、おびただしい数の携帯扇風機が並んでいます。
暑い国で扇風機が売れる。当たり前の話に聞こえます。
でも、バンコク在住のライターが現地のマーケティングを紹介した記事を読むと、面白いのはそこではありません。同じ「暑い」という需要に対して、各社がまったく違う答えを並べているのです。
同じ「暑さ」に、各社が違う答えを出している
手のひらに収まる超コンパクト型。スマホスタンドを兼ねるもの。クリップとストラップの2way。8時間、12時間と稼働時間を競うもの。風量を100段階で調整できるもの。ミストが出るスチーム機能つき。耳のついたキャラクター風のかわいいデザイン。
これらは単なる機能の差ではありません。誰のどんな暑さに応えるか、という問いへの、それぞれの答えです。
通勤の移動中に使いたい人。屋外で長時間働く人。子どもと出かける休日に使いたい人。同じ暑さでも、状況が変われば求められる機能も、選ばれる見た目も、語るべき言葉も変わります。
私たちはこの「誰のどんな状況に応えるか」を核と呼んでいます。
「需要があるから売れる」は、全員の前提
需要の大きさは、商品が選ばれる理由にはなりません。
暑いから売れるという発想は、その市場に参入する全社が同じ前提に立っているということです。需要が大きいほど競合は増え、差がつくのは需要の読みではなく、暑さの中身をどこまで具体的に捉えているか。つまり核の解像度です。
これは中小企業の商品開発でも同じ構図です。市場があるから参入する、までは誰でも決められます。その先の「私たちが応えたい相手はどの状況にいる人か」を定めないまま機能を足していくと、すべての暑さに対応しようとして、どの暑さにも刺さらない商品ができあがります。
全部載せは、誰の一番にもなれません。
機能会議の前に決める、ひとつの問い
色をどうするか、価格をどうするか、どの機能を載せるか。商品開発の議論は、つい機能とスペックから始まりがちです。その手前に、ひとつだけ決めるべき問いがあります。
この商品は、誰のどんな状況に応えるために存在するのか。
ここが言葉として定まっていれば、機能の取捨選択も、商品名もパッケージも売り場での一言も、同じ核から一貫して導けます。逆に定まっていなければ、判断のたびに基準が揺れ、担当者が変わるたびにブランドがぶれます。タイのハンディファンが各社それぞれの個性を持てているのは、各社がそれぞれの「暑さ」に答えを出しているからです。
ちなみに、暑さを逆手に取って再来園の理由に変えた花やしきの事例も、根っこは同じです。核が言葉になっているから、環境条件すら打ち手に変わります。
選ばれ続けるのは、核がぶれない商品
商品と選択肢があふれる時代に、需要の大きさだけを頼りに参入しても、すぐに埋もれます。選ばれ続けるために必要なのは、ぶれない核と、それを商品名からWebまで一貫して届けきる設計です。
私たちアイムホッピングは、「なぜつくるか」の言語化から商品やブランドの設計に伴走する言語設計パートナーです。需要はあるはずなのに選ばれない、機能は十分なのに伝わらない。そう感じているなら、課題は機能ではなく核の言語化にあるかもしれません。入口はサービスからどうぞ。